スポーツクライミングやボルダリングをしていると、こんな場面に遭遇したことはありませんか?
どうしても取れなかった次の一手を、他の人がすんなりととって悔しい思いをした…
スタッフに教えてもらったとおりにやったのに攻略できなかったルートを、教えてもらったのとは違うやりかたに変えたら、意外とすんなり取れた。
こんな経験ないですか?
わたしも先日、ほかのひとのやり方を見よう見まねでやってみて、どうしてもいけなかったルートを、ちょっと足の位置を変えたらいけたんです!
これって、どうしてだとおもいますか?
私なりに考えてみた結果、フォースタンス理論はボルダリングのムーブの上達にも適応できるのではないかという仮定にたどりつきました。
骨格や力の入り方で個々の特性を4つに分けたフォースタンス理論で、ボルダリングのブームの得手・不得手が解明できるのでは。
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フォースタンス理論とは?

フォースタンス理論とは、骨格をもとに体の使い方を大まかに4タイプに分類した理論です。スポーツの上達やフォームの改善に取り入れられていて、特にゴルフで利用されています。以下、タイプごとの説明です。
- A1=つま先(体の前)に力が入りやすく、閉じる力が強い。クロスタイプ。(手足が右と左、対象になる動きが得意。)
- A2=つま先(体の前)に力が入りやすく、開く力が強い。パラレルタイプ。(手足が右と右、同時に使う動きが得意。)
- B1=つま先(体の前)に力が入りやすく、閉じる力が強い。パラレルタイプ。(手足が右と右、同時に使う動きが得意。)
- B2=つま先(体の前)に力が入りやすく、開く力が強い。クロスタイプ。(手足が右と左、対象になる動きが得意。)
あなたはどのタイプ?フォースタンスの診断方法。
では早速、あなたがどのタイプに当てはまるのかを診断してみましょう。
フォースタンス診断①AかBか。

つま先に入りやすいAタイプなのか、かかと側に力が入りやすいBタイプなのかの判別方法です。
膝の高さくらいの台の上に足を載せて、前を向いて何回か、後ろを向いて何回かスクワットをしてみてください。
どちらがよりスムーズに出来たでしょうか?
- 台に背を向けたほうがやりやすかった人はAタイプ、つま先が強い人です。
- 台に向かい合う方がやりやすかった人はBタイプ、かかとが強い人です。
フォースタンス理論②内側か、外側か

いつもボルダリングをするときに、力が入りやすい指はどれですか?いつもホールドをつかむ時に使っている指を思い出してみましょう。
- 1タイプ=人差し指、中指に力が入りやすい
- 2タイプ=中指、薬指に力が入りやすい
フォースタンス診断③パラレルか、クロスか

右の手を前に出し、左右の足を手に着くように高く上げる動作をしたときの挙げやすさで、このように診断しましょう。
- 右足の方が挙げやすい=パラレル=平行タイプ
- 左足の方が挙げやすい=クロス=交差タイプ
それでも自分がどのタイプかわからない
この3つの診断方法の1つが分からなくても、2つわかるものがあれば先ほどの表を見てどのタイプなのかを当てはめることが出来ます。
それでも、やってみたけど、微妙過ぎて良くわからない…そんな時はプロの指導者に診断してもらう方法が一番です。
私はパワーリフティングをしていた時に世界チャンピオンの三土手選手にどのタイプにあてはまるのかを診断してもらい、B1タイプ(内側、背中側、パラレルタイプ)と診断されました。
また、フォースタンス理論について詳しく書いてある本もあるので、より詳しくフォースタンスについて知りたい人、ボルダリングの上達に悩んでいる方は読んでおくと間違いないです。
クライミングにフォースタンス理論はどう生かせるのか

- A=指先・つま先を使うと力がかかりやすいので、最初からつま先の使い方がうまい人です
- B=手のひら全体。かかとをつかうと力がかかりやすいので、ヒールフックが得意な人です。かかとでホールドを踏まないように初心者でもダウントゥのシューズをはいた方が上達が早そう。参照→クライミングシューズのおすすめ、選び方。

また、内側、外側タイプは、ホールドへの指のかけ方をどれにするか?で活用できると思います。
- 1タイプ(内側)=人差し指、中指に力が入りやすい、内側に拓く動作で力が入りやすい
- 2タイプ(外側)=中指、薬指に力が入りやすい、外側に拓く動作で力が入りやすい

パラレルタイプか、クロスタイプかは、三点支持の力のかけ方で応用できる、などが応用の仕方として考えられます。
フォースタンスを参考にボルダリングを上達させる方法まとめ
今回フォースタンス理論を解説してみました。ボルダリング・クライミングジムで良く合うスタッフや友人で自分と同じタイプの人がいればムーブの参考になります。
ただ、ルートによって自分の苦手な動きをしないと取れないものもレベルが上がるにつれて出てきてしまうと思います。
なので、最終的にはとにかく壁に張り付いて練習をするのが上達する方法なのですが、こんなスポーツのフォーム改善を図るこんな理論もあるんだということを知るだけでも、本当かどうか試してみるために次のボルダリングジムへ行くモチベーションが上がったのではないでしょうか?
ボルダリングを楽しく続けるための参考になれば幸いです。